パラレル

作・演出:フルタジュン

あの時、あっちを選んでいたらどうなっていたのか?
選ばなかった人生は、いつもあなたに並走して、あなたのすぐそばにいる。

フルタジュンより
生きていると色んな分岐点があります。小さなものから大きなものまで。
Aを選べば、数秒後にはAの自分がいて、Bを選べば、数秒後にはBの自分がいます。
毎日、そんな無数の選択をしながら生きているわけですから、人間は大したもんです。
だから、選び続ける私達人間に敬意を表して、“選択のコメディー”を創ります。
そして、チャレンジング興行の第二弾です。
何が挑戦なのかは、今回も劇場で確認してください。
失敗するかもしれません。けど、その場合は許してほしい。
秋が深まる11月の下北沢で、弾むように挑戦!!

チャレンジング興行 第一弾『匿名家族』の挑戦とは?
主役である家族が見えない中で繰り広げた家族劇。12人の役者が演じたのは、「親戚」「友人」「恋人」といった家族を取り巻く人々でした。見えない人間を相手に演じるというのは一人芝居などではよくありますが、これを家族という集団に対してやったらどうなるのか。という、集団VS集団に挑戦。
お陰様でご好評を頂き、DVD化も決定!

あの時、あっちを選んでいたらどうなっていたのか?
選ばなかった人生は、いつもあなたに並走して、あなたのすぐそばにいる。

フルタジュンより
生きていると色んな分岐点があります。小さなものから大きなものまで。
Aを選べば、数秒後にはAの自分がいて、Bを選べば、数秒後にはBの自分がいます。
毎日、そんな無数の選択をしながら生きているわけですから、人間は大したもんです。
だから、選び続ける私達人間に敬意を表して、“選択のコメディー”を創ります。
そして、チャレンジング興行の第二弾です。
何が挑戦なのかは、今回も劇場で確認してください。
失敗するかもしれません。けど、その場合は許してほしい。
秋が深まる11月の下北沢で、弾むように挑戦!!

チャレンジング興行 第一弾『匿名家族』の挑戦とは?
主役である家族が見えない中で繰り広げた家族劇。12人の役者が演じたのは、「親戚」「友人」「恋人」といった家族を取り巻く人々でした。見えない人間を相手に演じるというのは一人芝居などではよくありますが、これを家族という集団に対してやったらどうなるのか。という、集団VS集団に挑戦。
お陰様でご好評を頂き、DVD化も決定!

公演日時
2013年 11月7日(木)~11日(月)

劇場
「劇」小劇場

特設サイト:http://dp02026338.lolipop.jp/21tokusetsu/para.html


作・演出

フルタジュン

CAST
宮内勇輝
真帆
篠原友紀
工藤優太
清水洋介
大勝かおり
岡見文克
木村健太郎
黒沢美香
山田伊久磨(エッヘ)

STAFF
照明:向井さとこ
音響:水野裕
音楽:野智子/阿部隆大〔ACRYLICSTAB〕
宣伝美術:山下隼太郎
舞台美術:泉真
衣装協力:清水久子
WEB:砂川俊輔
協力:株式会社ダイスクリエイティブ/ハイレグタワー/株式会社アンダンテ
制作:和田宜之/三村大作
企画・製作:劇団フルタ丸

高校の時、クラスにK君という友人がいた。
彼はバンドらしきものを組んでいて、ある日、手作りのアルバムCDをくれた。
家族が寝静まった夜、ぜんぜん期待せずに再生ボタンを押した。
…すごく良かった。良くて何回も何回もリピートして聴いた。
移動中にも聴きたくなり、MDにダビング。登校中、下校中にも聴いた。聴きまくった。
けど、K君に面と向かって「聴いてるよ」「良かった」とは言えなかった。
恥ずかしかったのだ。そして、悔しかったからだ。

高校を卒業後、K君は東京で先輩たちと新たなバンドを組み、メジャーデビューを果たした。
クソ浪人を経て大学1年生だった僕は、彼のバンドのライブを観に行った。輝いていた。良かった。
けど、やはり、面と向かって良かったとは言えずに帰宅した。
やはり、恥ずかしかったし、悔しかったからだと思う。
その翌年、僕はフルタ丸を始めた。
K君にも観てもらいたいと思っていたら、K君はバンドを脱退して地元に戻って行った。

あれからずいぶん時が経った。
先々月、友人が地元で結婚式を挙げた。そこで、本当に久しぶりに、K君に会った。
もう仕事としての音楽はしていないようだった。
披露宴は進み、余興の時間が来た。K君はギターを抱えて、マイクの前に立っていた。
「新郎からのリクエストです」と言って、中島みゆきの『糸』を歌い始めた。
僕は手にナイフとフォークを持ったまま、肉に手を付けるのも忘れて見ていた。
気が付くと曲が終わっていた。周りの拍手に遅れ、それを取り戻すかのように力いっぱい拍手をした。
『糸』が名曲だとか、そんなことじゃない。彼が良かったのだ。歌った側から、歌そのものがどんどん
消えて行ってしまうような。しかし、永遠に残るような。上手く言えないが、とにかく。
余興が終わって、彼に近づいた。
僕は興奮気味に「良かった、とても」と伝えた。彼は、さらっと「ありがとう」と返して来た。

やっと伝えられた。何年、掛かってんだろう。14年か。32歳になるまで言えなかった。
でも、今となっては、僕はそっちを選んだような気がするんだよなぁ。

本日はご来場頂きまして誠にありがとうございます。
劇団フルタ丸です。